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  日本の不思議 3

最近読んだ山並さんの「語源でわかった!英単語記憶術」に次のような記述がある・・少々長くなるけど抜粋する。


英語には不規則性が多く、使いこなすためには、忍耐と持続が必要だ。同系語のドイツ語のように発音も簡単ではない。これには歴史がある。


ブリテン島はケルト族の島だった。ブリテン島のケルト族はゲール人と呼ばれた。紀元前半世紀に二度にわたるローマ軍の侵入をうけ、その後のキリスト教の伝道によって、ゲール語はローマの文化やラテン語の影響を受けた。これが英語の第一の素地だ。


アングル、サクソン、ユートの各部族は、小国に割拠していた先住のケルト族を瞬く間に制圧してアイルランドやスコットランドに追いやり、支配者となった北ゲルマンのドイツ語があっという間にブリテン島をおおいつくした。このゲルマン・コンケストが英語の第二の素地だ。だから古英語はドイツ語なのである。


もともとブリテン島と北欧は地理上でも近く、北欧の言葉は古くから英国に入っていた。長年にわたってブリテン島に影響を与えつづけた北欧語が英語の第三の素地だ。


フランス北西部に勃興したノルマンディー公国の侵略をうけたアングロ・サクソンは、1066年のヘースティングズの戦いでノルマンディー公国に降伏し、ノルマンディーの方言の入ったフランス語が、その後、300年にわたって英国の公用語となった。このフランス語の影響が英語の第四の素地といえる。


こうして、いくつもの民族とその言語が混じりあうルツボの中で育った英語である。複雑になるのは当然であろう。


 


で、今回話したいことは、日本人はとかく「日本語は特別な言葉で、外国人が学ぶには難しすぎる」と言うけど、英語に比較すると日本語はそれほど「特別」でもなく、アラビヤ語やインドネシア語のように「普通」の言葉だということである。


「日本の不思議」の「1」と「2」で書いたように、日本語が英語ほどの複雑さを持っていないのは「日本は二回しか侵略を受けていない」ということと大いに関係があるのではないだろうか。


パキスタンの公用語であるウルドゥー語と酷似する日本語は、世界の言語の中では比較的に言葉としての純粋さを保っており、決して「日本語は特別な言葉」ではないのである。


隣の古くて大きな国である「中国」から「仏教」という強い思想体系と「漢字」という文字システムを受け入れたから「中国語」の影響を大きく受けているけど、そんなことは世界中何処にもあることである・・例えば、インドネシア語には旧宗主国であるオランダ語や支配的宗教であるイスラム教のアラビヤ語が一杯入り込んでいる。


日本人が日本語を「特別に難しい言葉」と考えたくなる背景には、極東の島国に住む日本人の「自己防衛意識」が働いているような気がしてならない。日本語を特殊な言葉としてではなく、世界の中の普通の言葉の一つとして素直に位置づければ、「英語をマスターすることが国際人になるための第一歩である」といった愚かな妄想に囚われることも無いと思うのだけど・・英語が堪能な僕のひとりよがりなのだろうか?


添付した図版は「万葉仮名」を使った和歌である・・「平仮名」を発明する前の日本人は中国製の「漢字」を必死に苦労して日本語に変換しようとした。


(2007/10/11)
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