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  明日の博物館へのメッセージ: その7

叡智のモール

21世紀の「未来の博物館」は、20世紀末以前に建設された博物館のような、到達しがたい「叡智のパレス=宮殿」ではなく、到達可能な「叡智のモール=遊歩道」になるべきである。「叡智のモール」が発見や触れ合いの喜びを分かち合うのに対し、「叡智のパレス」は、来館者が何かを受身で見せられたり教えられたりする場所である。

「叡智のモール」では、来館者は、何か知らないものを見つけたり、そこに隠されている秘密を解き明かしたり、彼らを満足させる何かを発見したりすることができる・・たとえ、それが「一対一の展示」を通じた究極の回答ではないかもしれないにせよ。

彼らの気の向くままに、情報通信技術装置によって生み出された様々な仮想体験も楽しみながら、来館者は「叡智のモール」の隅々まで散策することができる。

 


知識の培養器

「未来の博物館」は、人々を、彼ら自身の知識を活用させ、人々の成果を世界中の人たちと分かち合うことができる、「培養器」にならなければならない。

博物館の中からであれ外からであれ、人々は手動的かつ電子的な培養プログラムで構築された「培養器」に自由にアクセスしたり、それを利用したりすることができる。手動的培養プログラムは博物館のスタッフによって駆動され、電子的培養プログラムは情報通信インフラストラクチャーとネットワークされた双方向装置で駆動される。

「培養器」は一般の人々のためだけではなく、博物館のスタッフにも役に立つ。「培養器」は、博物館のスタッフが培養活動への案内を促進したり、博物館全体が永遠に進化する博物館へと鼓舞させたりすることにも機能する。

博物館を超える博物館

「未来の博物館」は、究極的には「博物館を超える博物館」になる。「博物館を超える博物館」は、内側と外側の空間を分ける境界を持たない。「博物館を超える博物館」は、あらゆる時空間を、芸術・詩・舞踊・歴史を司る9人の女神である、ミューズのために、総合されたものへと変換していく。

「博物館を超える博物館」は、世界の全ての領域や地球上の全ての存在物を横超する、地球網博物館である。あらゆる共同体、家族、個人はネットワークによって緊密に結び合わされ、彼ら自身の中で自分自身の存在を保持していく。獲得された想像力を含む知識や技能は、それを欲する誰にでも即時に分け与えられていく。

「博物館を超える博物館」は、地球全体をカバーする情報通信技術インフラストラクチャーによって保持されている。「見えない情報通信インフラストラクチャー」は余りにも繋ぎ目が無いため、誰も電子的な装置や技術の存在に気づくことは無い。全ての物事は素晴らしく自然に進んでいく・・それが明日の「博物館を超える博物館」である。


添付した写真は、ツタンカーメンの「護符」である。

「伝統的博物館」は「護符」を次のように紹介する:これは何か?何処で発見されたか?何時作られたか?誰が作ったか?・・
「伝統的博物館」は論理(ロジック)の詳細に注目する。

「明日の博物館」は「護符」を次のように紹介する:これは何か?何故作られたのか?どのようにして作られたのか?・・
「明日の博物館」は、論理(ロジック)だけでなく、抒情(リリック)にも満ち満ちている。


(2006/9/8)
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