一対一の展示
20世紀の末までに建設された世界の博物館の大半は、そのコレクションを「顔の見えない大衆」のために展示してきた。言い方を変えると、これらの博物館は「一対多の展示」を行ってきた、「一」は博物館であり、「多」は大勢の来館者である。
21世紀の「未来の博物館」は、「顔の見えない大衆」だけではなく「個性ある個人」のためにも、そのコレクションを展示しなければならない。言い方を変えれば、このような博物館は「一対一(博物館と個人)の展示」を提供しなければならない。「一対一の展示」を実現するためには、展示について異なったタイプの情報やデータが個々の来館者に提供されなければならない。最新の情報通信技術は、無線通信装置を使って個人の特性を感知し、そのような情報やデータを提供することを可能にしてくれる。
「一対一の展示」は、展示の魅力や理解を高め、個人個人が博物館に繰り返しやって来るように誘う。
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