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  明日の博物館へのメッセージ: その2

「ミューズの魂」にパフォーマンスで触れる

「ミュージアム」は、ギリシャ語の「ムセイオン」或いは、英語の「ミューズの神殿」に由来している。「ミュージアム」は紀元前3世紀にアレキサンドリアで建設されたが、今日の「アレキサンドリア図書館」の原型であり、歴史におけるエポックメーキングの一つであった。「ミューズ」は、詩、音楽、舞踊、学芸、科学などを司る「9人の女神」である。

今日の世界の博物館の大半は「ミューズの静的な作品」を展示しているだけであるが、「明日の博物館」は、原型の「ムセイオン」に戻りながら、天分豊かな専門家や博物館のスタッフによる様々な活動を生み出し、受け入れていくことによって、「ミューズの魂」を祝福するものとなるべきである。「未来の博物館」で、このような活動を繰り広げることにより、具体的な作品や演技として結実した「ミューズの魂」と触れ合うことができ、さらに、「ミューズ」が辿った創造的道のりを進みながら自分自身の才能を鼓舞させることもできる。

 


「未来の博物館」のあらゆる場所で繰り広げられる活動のほんの一例としては:

1) 触れたり、遊んだり、話したり、描いたり、試したり、造ったり、語り合ったりできる「双方向の展示」
2) コンサート、オペラ、ダンス、演劇などの「パフォーマンス」
3) 現代的、伝統的なパフォーミングアーツなどの「エンタテインメント」
4) 誕生日パーティ、企業の晩餐会、公の催し物などの「祝宴」
5) 新製品の発表会、ファッションショウなどの「ビジネスショウ」


博物館展示の構成

一般的に、博物館は2つのタイプの展示構成を来館者に提供することができる。

ブック・タイプ(単行本型)

「ブック・タイプ」の展示構成では、まるで、「紹介」「1章」「2章」「3章」・・「結論」と単行本を読んでいくように、上手く組み立てられた「展示の流れ」に従って、来館者は展示を鑑賞する。この流れは、普通、博物館によって一方的に決められた「一方通行の流れ」であり、来館者は他の流れを選択することも、後戻りすることもできない。

「ブック・タイプ」の展示構成の長所は、博物館側が来館者に、展示に込められている理路整然としたメッセージを正確に伝えることができる点にあるが、一方で短所は、来館者が自分で選択することなく、受身で提供されたメッセージを受容することしか出来ないという点にある。

マガジン・タイプ(雑誌型)

「マガジン・タイプ」の展示構成では、まるで、「目次」や「特集」から眺め始めて、自分の好きなページを選びながら読んでいくように、自分で好きな「展示の流れ」を選びながら展示を鑑賞する。「展示の流れ」は固定されていないけれど、何処に目当ての展示があり、そこにどうやったら辿りつくことが出来るかを、来館者が容易に認識できるよう、要領よく編集されていなければならない。

「マガジン・タイプ」の展示構成の長所は、来館者が、自分で責任を持って展示を積極的に鑑賞できる点にあるが、一方で短所は、博物館にとって、来館者に間違いなく展示のメッセージを提供することが難しい点にある。


添付した図版は「迷路」を造るための道具一式である。展示動線を計画することは、「迷路」を造ることに似ているのではないだろうか?


(2006/8/28)
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