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  太陰暦と太陽暦: その1

ふとしたきっかけで先日気付くまで、長い間、「日本の旧暦は太陰暦だ」と信じて疑わなかった・・アラビアの国々やパキスタン、さらにインドネシアなど、「太陰暦」を(正確には「も」)使っている地域で仕事をしてきたというのに…

「今年(2006年)も春節(中国のお正月)が1月22日だけど、よく考えると、春節は毎年今頃だし、そういえば、日本の旧正月も常に1月の中旬から後半だった記憶がある・・僕の田舎の広島では、新正月よりは旧正月に、お餅を一杯ついた楽しい思い出もある。

 

だけど、イスラム圏の暦は毎年2週間ぐらいずつ繰り上がってくる・・「エッ、何故?」という、実に単純な疑問が事の起こりであった。

断食で有名な「ラマダン月」とか、巡礼期の後に羊などを捧げる事で知られている「犠牲祭」など、確かに、毎年毎年、約2週間づつ早まってくる・・例えば、去年(2005年)の「ラマダン月」は10月の初めから始まったけど、今年(2006年)は9月の中旬から始まる筈である。

にわか勉強で調べたら、以下のような事実が判明した、というより、僕の不勉強が露呈された!
月の運行のみに従う純粋な「太陰暦」は、イスラム教圏で現在も使われている「ヒジュラ暦」だけである。
ちなみに、「ヒジュラ暦」は、預言者ムハンマッドがメッカからメディナへ逃れた時を起源としている(ヒジュラとは逃亡という意味である)・・晴れ晴れしい誇らかなタイミングではなく、一番苦しい受難のタイミングを「暦の始まり」とした事実にも、イスラム教の謎と魅力を解き明かす鍵があるかもしれない。

日本で使われている「旧暦」は、正確には「太陰太陽暦」といい、「太陽暦」を基にしつつ、閏月を挿入して実際の季節とのずれを補正した暦である。
中国や台湾、さらにシンガポールなど華僑が多く住む地域で使われている「旧暦」も、「太陰太陽暦」と同じようなメカニズムで作られているのではないだろうか。

「太陰太陽暦」の作り方もかなり複雑なので、詳細を知りたい方には、適当なインターネット・サイトを検索されることをお薦めする。

「太陰暦」と「太陽暦」のテーマについては、「その2」でもう少し詳しく触れるとして、「暦」というか「時」というか、ニューヨークにいた頃に見たテレビ番組の話をしておきたい。

第一次世界大戦をテーマにした、2時間以上のテレビドラマで、ニューヨーク出身の若い兵士が、爆弾で四股を全て吹き飛ばされても(つまり、胴体と、目が見えなく耳が聞こえなく話も出来ない頭だけで)生きていたため、ドイツ軍によって医学的モルモットとして強制的に生かされ続けることになってしまった。

彼が意識を取り戻した時から、何度も何度も「いまは何時?」と自分自身に尋ね続けたシーンを今でもありありと想いうかべる事が出来る・・「ここは何処?」ではなかった。

添付した図版は、かってメキシコ中部に素晴らしい文明を築いたアステカ族の「暦の象徴」である。

(2006/2/15)
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