何故、生物はかくも移動したがるのだろう?
しかも、殆どの場合、というよりも常に、大変なリスクをものともせずにである。
「適者生存」という古めかしいダーウインの進化論がまかり通っているからだろうか?
素人目に見ても、危険極まりない、いや、「無鉄砲」とか「破天荒」という言葉のほうがぴったりとくる、冒険なのである・・数十億年前の地球上に生命が誕生した時から、遺伝子の奥深い玉手箱の中に秘められてしまった「暗号」なのだろうか?
「生物の陸上への移動」にしても、水の浮力を利用して手軽に作り上げてきた体格を重力に持ちこたえるように作り変えたり、殻を持った卵という「携帯子宮」を作りだせる目安があったのだろうか?
「両生類」という融通のきくサバイバル・メカニズムも、贔屓目に見ても「結果オーライ」のような気がしてならない。
「人類のマゼラン海峡までの移動」にしても、ベーリング海峡(その頃は『地峡』と呼んだ方が正確かもしれない)の先の全く未知のアメリカ大陸が、長く慣れ親しんだアフリカ大陸やユーラシア大陸より、健康に適した環境や豊富な食料が獲得できるという、神様からの啓示なり約束があったのだろうか?
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