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  人類の栄枯盛衰 2

日本の四国の片隅に「福岡正信」さんという、知る人ぞ知る、「偉大」というよりも「不可思議」な「農夫」がいる・・彼を、いわゆる「農夫」と呼べるかどうかは大いなる疑問ではあるけれど…

福岡さんは、「自然農法・わら一本の革命」を初めとする数々の著書や、NHK教育テレビのドキュメンタリー・プログラムでの紹介や、「マグサイサイ賞」を初めとする国際的機関からの数々の受賞や、独特の砂漠緑化実践などで、超有名な人なのでもある。

なんとしてでも一度会いたくて、十年位前に一度、四国の伊予市の自宅まで押しかけて、お目にかかったことがあるけど、会って直ぐに、ぴしりとやられてしまった・・

 

「貴方は何をしているのですか?農業をしているのですか?東京を始めとする都会から大勢の、『自分は自然農法を支持しているし、有機野菜しか口にしない』と誇らしそうに話す人たちが私の処にやって来るけど、この人たちこそが私の最大の『敵』なのです。私の『自然農園』に隣接している田んぼで、お百姓さんが農薬を撒いているのを目の当たりにして、『福岡さん、どうして彼らに注意をされないのですか?』と平気で尋ねてくる。私はその人たちに、『農薬が危険なことは、農薬を撒いている当のお百姓さんこそが一番よく知っている。あなた方がのように、頭ではなく、自分自身の体で…しかしながら、あなた方が卒業されたような立派な大学に子供を行かせるためには、農薬を使って生産効率を上げ、現金収入を得るしかないのです。私の農業は遊びですよ』と答えるのだけど、その人たちは全く理解できない、というよりは、のっけから理解する気が全く無い」

言外に、「貴方もその一人ではないのか?」と問われてしまい、返す言葉が全く見つからなかった・・僕も彼の著作の何冊かを読んで、彼に会いに来たわけであるから…

小さい時から高校を卒業するまで、実家で農業を散々手伝った体験はあるけど、「夏の田んぼでの草取り」の凄まじさを肌身を持って思い知らされた記憶はあるのだけど、そんなものでは答えることはできない、「無言の凄み」を福岡さんから感じ取り、一人で彼の「自然農園」を歩き回って、バスに乗って伊予の駅まで向かった。

福岡さんの「自然農園」は、むしろ「自然庭園」といった表現の方が適切で、大根や人参も他の雑草と混じって、植えてあるというより生えているという状態で、かなり注意深く観察しないと、どれが「雑草」で、どれが「野菜」なのか、区別が全くつかない・・訪れた時期が冬だったので、残念ながら「田んぼ」(と、呼べるとして)は見ることができなかった。

福岡さんは、 「不耕起」、「無肥料」、「無農薬」、「無除草」を四大原則として、「自然農法」を実践してきているが、稲を初めとする「収穫率」は信じがたいほど高く、その実績に基づいて、福岡さんは、「科学技術に基づく農業は、生産性が高いと言われるが、生産に要するエネルギー効率から計算してみると、かえって機械化するにつれて、農作業の効率は低下をきたしているのである」とまで、言い切っている。

人類は「3大革命=農業革命+産業革命+情報革命」を経て、発展してきたということになっているのだけど、さて、果たしてそうなのだろうか?
福岡さんは、「耕した」ことこそが、人類最大の過ちであると喝破しているのだけど・・

添付した図版は、福岡さんの代表的著作の一つ「自然農法・わら一本の革命」の表紙である・・様々な国でも翻訳出版されており、是非とも一読をお勧めする。

(2006/1/3)
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