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  栄枯盛衰 その3: 地球の栄枯盛衰

およそ50億年前に太陽系が誕生したと推定されているが、これから50億年程度は太陽の寿命が続くらしい・・といっても、そのかなり以前から太陽は膨張を始めてしまい、現在の木星や土星をさえも飲み込んでしまう位の大きさになると予想されているので、その頃には地球も既に太陽の餌食(美味しいか不味いかは分らないが)になってしまうらしい。

太陽系の一員として誕生してからの地球では、「栄枯盛衰」と呼んでも良いような多彩なドラマが繰り広げられてきた・・地質学的には、地球の冷却化、海の発生、大陸の発生と分離、大気の構成要素の変化と安定化、生物学的には、生命の誕生と進化、隕石の衝突を初めとする宇宙的要因による進化の断絶、人類による環境の破壊などが、直ぐに目に付く事件であろう。

 

「大陸の分離」は現在も続いており、ハワイ諸島が新しい火山島を生み出しながら、少しづつカムチャッカ半島に近づいていたり、先年のスマトラ沖地震や、ごく最近のパキスタンでの地震など、大きな災害も引き起こしている・・日本列島も大陸分離(正確には大陸移動)の最前線に位置しているので、大小の地震にさいなまされ続けている。

「地球を取り巻く大気の絶妙なバランスは、地球全体が生み出したものであり、そのような視点から地球を観察すると、地球は生命活動の単なる舞台ではなく、地球全体が一つの大きな生命圏を構成している」と、J.E.ラブロックは彼の「ガイア仮説」のなかで喝破してみせたが(ガイアはギリシャ神話の地母神)、今年(2005年)のメキシコ湾での巨大ハリケーンの多発に見られるように、ここ数十年で幾何級数的に増大し続ける二酸化炭素は、「地球の生命圏」を脅かし始めている・・かっての(今でも続いているが)「オゾン・ホール」の増大よりは遥かに身近なところでの「地球温暖化」がひたひたと押し寄せてきている。

評判を呼んだ映画「ジュラシック・パーク」でもすっかりお馴染みになったが、ジュラ紀に数千万年に及ぶ栄華をエンジョイした恐竜達が隕石の衝突によって絶滅したという、今日では支配的な学説が描いてみせる「栄枯盛衰」も、恐竜の大きさが半端ではないことも相まって、オペラチック、かつ、生々しく興味深い大河ドラマである。

地球の栄枯盛衰の中では、個人的には、カンブリア紀の「栄枯盛衰」に一番興味を持っている。

カンブリア紀は、今から約5億年前頃の時代で、約30億年前頃に発生した地球上の生物が、一挙に多彩な進化を遂げ(その確かな原因というか契機は今もって不明であるが)、約5千万年間弱で「つかの間」(地質学的フィーリングで言うと)に滅びてしまい、数パーセントとさえ言われる生き残った生物種が、その後、一生懸命頑張って進化をしてきて、僕たちを含む今日の多様な「生命界」を作り出している。

スティーブン・ジェイ・グールドが著した「ワンダフル・ライフ」という本で、その「栄枯盛衰」の一部始終を探索し終えた時は、正直、言葉を失ってしまうほどの驚きだった・・ちなみに、本のタイトルは、著者の好きなミュージカルから引用されたものである。

添付した写真は、カンブリア紀に、のし歩いていた「ハルキゲニア」で、「歩いていた」という表現が適切かどうか分らないが、僕の大好きなご先祖様の一つである。

(2005/10/29)
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