最近、エジプトのギザに新しく建設される「大エジプト博物館」・・カイロにある1902年開館の「エジプト博物館(通称:カイロ博物館)」に対して「ギザ博物館」と、プロジェクトが始まった頃は呼ばれていた・・の展示計画(正確には計画の準備)に携わることになり、例によって、俄か漬けでエジプトの考古学(通称:エジプト学)の猛勉強を始めた。
エジプト学の勉強をし始めて最初に浮かんできた疑問は、「古王朝・中王朝・新王朝と続き、かの有名なクレオパトラで途絶える、エジプトの王朝や王者達の物語が、ほんの約5000年前からしか始まらないのだろう?」ということであった。
約20万年に及ぶタイムスパンをカバーし、約2万年前からの歴史に焦点をあてている「ヨルダン国立博物館」の視点からエジプト史を眺めると、「何と新しい…」ということになってしまう。
約5千年前というと、青銅器時代が始まった頃で、ヨルダンを初めとする中近東史では、もはや「古いなー」という感想は口をついてこないのである。
|