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文化のテロリズム

アンマンでヨルダンの国立博物館の展示計画を作成している僕にとっては、七夕の日のロンドンの同時テロはそれほどの驚きではなかった・・隣国のイラクで毎日のように繰り返されているテロに慣れているからではない。

仕事の関係で「lonely planet」の「Egypt」を読み始めているけど、昨日読んだページの中に次のような記述があった;

In recent years there have been requests from the Egyptian government for the return of key pieces including the Rosetta Stone, a bust of Nefertiti held by the British Museum and some statues of Hatshepsut held in New York.
But although the Western fascination with 'Oriental' Egypt has long since abated, the chances of these treasures being returned is very slight.

 
「近代帝国主義」を一方で批判しながら、つまり欧米先進国はすでに「民主主義国家」に発展したので、遅れている国々、例えばイラク、を支援していかなければならない・・たとえ武力を持ってしても。
その一方で、自分たちの先祖である帝国主義者たちがこれらの「近代化が遅れた国々」から略奪してきた文化財を勝手に自分たちの国の宝として、例えば「ベルリンの至宝」だとか、誇って抱え込んでいる。
これを「文化のテロリズム」と呼ばずして、何と言えばいいのだろう?

ヨルダンの国立博物館でも、この問題に最大級に悩まされている・・分捕っていかれた時の「体の痛み」もさることながら、分捕り続けていられ続けていることの「心の痛み」は癒しがたい。
自分達の文化の源を調べるために、何故ヨーロッパやアメリカに行かなければならないのだろう??

先日、東京に一時帰国した時に、友人が恐る恐る差し出してくれた「ベルリンの至宝展」のアルバムを見ていて、激しい怒りよりも深い絶望的な悲しみに包まれてきた・・

この時はっきりと自分の中で次のように確信した;

文化財を人類共有のものとしなければ、つまり経済価値をなくさない限り、世界平和は実現できない。
世界で多発しているテロの根源的原因は、経済だけでなく文化にこそあり、文化財を人類共有のものとする、例えばユネスコのようなグローバルなメカニズムを構築しない限り、テロリズムは無くならない。

このブログを開設することが、ロンドンのテロに対する僕の行動開始!

(2005/7/14)
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